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採寸の考え方 ― 正しい確認が、正しい提案につながる ―
販売の仕事は、商品を売ることだけではありません。
お客様に合った商品を提案し、購入後も満足して使っていただくことです。
しかし現場では、
「サイズは合っていた」
「設置はできた」
「使用条件は満たしていた」
にもかかわらず、
「思っていたのと違う」
「使いにくい」
「こんなはずじゃなかった」
という声が生まれることがあります。
販売後のトラブルの多くは、商品の不良ではなく、購入前の確認不足によって起こります。
業種は違っても、「使える」ことと「快適に使える」ことは同じではありません。
アパレルであれば、サイズ表では問題なくても、実際に着ると丈感やシルエットの印象が異なることがあります。
自動車であれば、駐車できても乗り降りしにくかったり、日常的な使い勝手に不便を感じたりすることがあります。
家電であれば、家電であれば、本体サイズだけでなく、配線や放熱に必要なスペースを確認する必要があります。
家具やインテリアであれば、部屋には収まっても、搬入できなかったり、動線が悪くなったり、
想定していた使い方ができなかったりすることがあります。
こうしたトラブルを防ぐために行うのが採寸です。
採寸とは、単に数字を測る作業ではありません。
お客様が購入後に困らないための確認であり、
販売後のトラブルやクレームを防ぎ、より良い提案を行うための重要な業務です。
1. 採寸が重要な理由
採寸が重要なのは、正しい数字を知るためだけではありません。
販売後のトラブルを防ぐためです。
販売後のトラブルは業種によって異なりますが、
当店が扱う家具・インテリアでは特に次のようなケースが発生します。

・ソファは置けたが人が通りにくい
・ダイニングテーブルは置けたが椅子を引くスペースが足りない
・チェストは収まったが引き出しが開けにくい
・カップボードは設置できたがコンセントが隠れてしまう
・設置スペースには収まるが搬入経路を通らない
・部屋には置けるがエレベーターや階段を通らない
こうした問題の多くは事前確認の不足によって発生します。
2. 採寸で確認すること
どこを測るか、何のために確認するかを考えることが大切です。
たとえばアパレルなら、
サイズだけでなく丈感やシルエットまで見ます。
家電なら、
本体サイズだけでなく、配線や放熱に必要な余白まで確認します。

私たちのお店で扱う家具においては、
商品について
設置場所について
搬入について
など多岐にわたって確認します。
採寸とは「商品の大きさ」ではなく「お届け・設置できるか」「快適に使えるか」を確認する作業です。
3. 現場で起こりやすいミス
― 小さな見落としを軽く見ない ―
現場では、大きな失敗より小さな見落としが多く起こります。
特に多いのは、
・一番出ている部分を見落とす
・幅だけ見て高さや奥行きを確認していない
・使用時の動きを確認していない
・周囲の余白を見ていない
・一度だけ測って終わる
・数字だけ伝えてお客様が大きさを想像できていない
といったケースです。
これは家具に限りません。
アパレルでも、サイズ表記だけで判断すると、着た印象とのズレが出ます。
家電でも、本体は置けても、配線や周囲の余白まで見ていないと使いにくさが残ります。
たとえば家具販売では、
・本体は納まるが、動線が確保できない
・設置はできるが、扉や引き出しが使いにくい
・搬入時に廊下や扉で詰まってしまう
・壁には付くが、巾木やコンセントで想定通りに収まらない
・高さは合っていても、エアコンや梁に当たり置きたい位置に置けない
といったことが起こりやすくなります。
つまり、家具の採寸では本体寸法だけでなく、
設置後の余白、可動域、搬入経路、壁まわり、上方向の干渉まで含めて確認することが大切です。
【ひとこと】
不安な寸法は、そのままにせず必ず確認し直してください。
4. 接客での伝え方
― 数字だけでなく、実感として伝える ―
・実際にメジャーを当てる
・幅をその場で見せる
・必要な余白を示す
・現在使っている商品と比較する
といった見せ方をすると、理解していただきやすくなります。
これは他業種でも同じです。
アパレルなら、鏡の前で丈感やサイズ感を見ていただく方が伝わります。
家電でも、数字だけでなく「このくらいです」と実感に置き換えて伝える方が理解されやすくなります。
また、採寸時は
・重要な寸法は複数回確認する
・どこの寸法か分かるように残す
・商品でもお客様宅でも、周囲を傷つけないよう丁寧に扱う
ことを徹底してください。
【ひとこと】
お客様が実感できる伝え方まで含めて、採寸です。
5. まとめ
販売後のトラブルの多くは、販売前の確認不足から起こります。
商品の魅力を伝えることも販売の仕事ですが、
お客様が購入後に困らないよう確認することも、同じくらい重要な仕事です。
販売とは、商品をお渡しして終わりではありません。
お客様が実際に使い始めてからも満足していただけるよう準備することも、販売スタッフの大切な役割です。
正しい採寸は、お客様の満足につながるだけでなく、販売スタッフ自身を守ることにもつながります。
【ひとこと】
正しい採寸は、正しい提案の土台です。





