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第13回 アールヌーヴォー”自然の美からなるデザイン革新”とは?

 

 

Character

クラ子 

最近クラシック家具のお店に入社した新人販売員。

ロリータファッションなど可愛いものが好き。

さとる

長年クラシック家具のお店に勤めるベテラン販売員。

冷静だが家具の事になると熱く語りだすクラシック家具愛にあふれた先輩。

 

機械化の流れから生まれたスタイル

クラ子
クラ子
実はこの間、アルフォンス・ミュシャ展に行ってきたんですが、すごく繊細でおしゃれで、思わず見入ってしまいました!
いいですね!ミュシャは繊細で鮮やかなアートですよね。私も今度見に行きたいです
さとる
さとる
ミュシャは産業革命の後に生まれたスタイルなんですよ
さとる
さとる
クラ子
クラ子
えー!産業革命からおこる機械化の無機質な感じとは違う印象ですけど?
そう、そんな時代に生まれたのが、『アール・ヌーヴォー』という芸術の流れなんです。ガウディの独創的な建築の象徴となる「サグラダ・ファミリア」も、影響を受けた建築の一つです
さとる
さとる

クラ子
クラ子
サグラダ・ファミリア!知っています、あの独特な建築はアール・ヌーヴォーなのですね
そうなんです!では今回は生命や自然を感じるようなアール・ヌーヴォーを解説しますね
さとる
さとる

アール・ヌーヴォーの時期におきた出来事

アール・ヌーヴォーを解説する前に、まずその時期にどのような大きな出来事があったのかを見てみましょう
さとる
さとる

日本では、ちょうど明治時代の終わりから大正時代にかけての時期にあたります
さとる
さとる
クラ子
クラ子
日本では産業革命の流れや、近代化が起きたのはなんとなく覚えています!

 

引用 Wikipedia 日清戦争 https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Une-Partie-De-Peche-Rus-Jpn-Qing-Dispute-Korea-Feb-15-1887.png 

相対性理論や、ライト兄弟が人類初の飛行を行うなど新しい価値観や技術も多く生まれましたね
さとる
さとる

クラ子
クラ子
飛行機の先駆けとなる出来事ですよね!技術の進歩で新しい世の中になるのを感じ取れますね
その通りです!産業革命の反発で生まれたアール・ヌーヴォーですが、「新しい芸術」とも言われ、新たなスタイルとなりました
さとる
さとる

クラ子
クラ子
新しい芸術ですか!どんなスタイルなのか気になります!

アール・ヌーヴォーとは?

ではアール・ヌーヴォーを語る上で大事な歴史をまずは解説しますね。19世紀の後半では数多くの万博がありました
さとる
さとる
その中でも新しい装飾様式として注目を集めました
さとる
さとる

パリ万国博覧会(1900年)

引用 Wikipedia パリ万国博覧会 (1900年) https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Vue_panoramique_de_l%27exposition_universelle_de_1900.jpg

この万博は19世紀の総決算として開催され、最新の技術や芸術が集結しました。曲線的なデザインや植物をモチーフにした装飾が、建築・家具・ガラス工芸・ポスターなど多様な分野で展示されたアール・ヌーヴォーは、訪れた人々に鮮烈な印象を与えました。

アール・ヌーヴォーはこの万博を機に国際的なスタイルとして認知されていきます。

クラ子
クラ子
無機質なデザインにうんざりしていた世の中にささったデザインというわけですね!
そうですね!機械化からの反発から、自然をモチーフとした多くの作品が訪れた人々に衝撃を与えました
さとる
さとる
クラ子
クラ子
でも「アール・ヌーヴォー」って、急に出てきたわけではないですよね?
いいところに気づきましたね。実はアール・ヌーヴォーの少し前に、「アーツ・アンド・クラフツ運動」が起こりました
さとる
さとる

アーツ&クラフツ運動

19世紀後半のイギリスで起きたこの運動は、産業革命によって大量生産が進む中で失われつつあった職人の手仕事や美意識を重んじ、生活と芸術の統合を目指したものでした。

ウィリアム・モリスを中心に展開されたこの潮流は、装飾芸術への関心を高め、やがてヨーロッパ各地で独自に発展するアール・ヌーヴォーの誕生に大きな影響を与えました。

 

ウィリアム・モリス

産業革命による大量生産に異を唱え、中世の手仕事に美を見出した彼の思想は、「芸術と生活の融合」を目指すアール・ヌーヴォーの精神に大きな影響を与えました。自然モチーフの装飾や手工芸の重視といった特徴は、後のアール・ヌーヴォー様式に受け継がれていきます。


テキスタイル『Strawberry Thief(いちご泥棒)』

引用 Wikipedia ウィリアム・モリス https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Wmmorris3248.jpg

 

当時のイギリスでは、産業革命によって大量生産が進み、安価ではありますが、味気ないものがあふれていたんです。そんな時代に、「手仕事の美しさを取り戻そう」としたのがモリスたちだったんですよ
さとる
さとる
クラ子
クラ子
なんだか現代にも通じる話ですね……。機械よりも手仕事の方が、ちょっと贅沢で温かみがある感じがします

その通りです。彼らは家具や壁紙、テキスタイルなどを、職人の技を駆使して丁寧に作ることを大切にしていました。「美しいものこそ、日常の中にこそ必要だ」という考え方は、アール・ヌーヴォーにも確実に引き継がれています
さとる
さとる
クラ子
クラ子
なるほど……アール・ヌーヴォーは、その精神を受け継ぎつつ、さらに表現の幅を広げて、装飾的で自由なスタイルに発展したんですね

 

ウィリアム・モリスに関して詳しい解説はここから↓↓

モダンデザインの父 ウィリアム・モリス

アール・ヌーヴォーの特徴

アーツ&クラフツ運動や万国博覧会の中で登場したアール・ヌーヴォーには、先ほどにも言ったように美的観点を重視したものが多く見られました
さとる
さとる
クラ子
クラ子
なるほど、、、。どんな雰囲気なんでしょう
アール・ヌーヴォーの作品は華やかで彩りが豊かな雰囲気で素敵ですよ
さとる
さとる

当時は、産業革命の影響で機械で大量生産されるモノが増えて、どこか無機質なデザインが多くなっていました。その反動として、あたたかみのある手仕事への関心が高まったんですよね
さとる
さとる
クラ子
クラ子
様々な歴史を通して手で作られた物の良さというものは、今でも通じる価値観ですね!

そんな中、自然の形や植物、昆虫のようなモチーフを取り入れて「人の手でしか作れない美しさ」を追求したのがアール・ヌーヴォーなんです!
さとる
さとる
クラ子
クラ子
生命の美しさや自然の鮮やかさは、大量生産の無機質なデザインにはなかなか見られないので魅力的に感じますね

アール・ヌーヴォーの作品

エミール・ガレ

エミール・ガレは、フランスのナンシー出身。自然のモチーフや繊細なガラス技法を用いてアール・ヌーヴォーの美学を体現した工芸家であり、装飾芸術の分野でその革新的なデザインが高く評価されました。

引用 wikipedia https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Emile_Gall%C3%A9_by_Emile_Gall%C3%A9.jpg

引用 ポーラ美術館 蜻蛉文香水瓶 https://www.polamuseum.or.jp/collection/006-0743/

引用 ポーラ美術館 薔薇文ランプ https://www.polamuseum.or.jp/collection/006-0696/

ガレはアール・ヌーヴォーの代表的な作家で、植物や詩をモチーフにした繊細なガラス工芸で有名なんです
さとる
さとる
クラ子
クラ子
とても綺麗で美しいです!その中でもモチーフを取り入れていて素敵です
そうですね。ガレ自身も「芸術は生活の中にあるべきだ」と言っていたらしいです。大量生産のモノとは違って、一つ一つに意味と美しさがある。だから今でも多くの人に愛されてるんですよね
さとる
さとる

エミール・ガレに関して詳しい解説はここから↓↓

エミール・ガレ  ~現代に受け継がれる珠玉のコレクション~

 

アルフォンス・ミュシャ

アルフォンス・ミュシャは、アール・ヌーヴォーを代表するチェコ出身の画家・デザイナーです。1894年に手がけたポスター《ジスモンダ》で一躍有名となり、女性像に花や曲線装飾を組み合わせた「ミュシャ様式」で人気を博しました。

華やかな装飾美で広告や日用品を芸術に昇華させた一方、晩年は民族の誇りを描く《スラヴ叙事詩》に取り組みました。

『黄道十二宮』(1896-97)

引用 Wikipedia https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Alphonse_Mucha_-_Zodiac.jpg

 

装飾パネル連作『四季 春』(1896)

引用 Wikipedia https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Alfons_Mucha_-_1896_-_Spring.jpg

クラ子
クラ子
このやわらかい曲線とか、髪の流れとか……すごく女性らしくて、優しい雰囲気ですね
ミュシャはアール・ヌーヴォーを語る上で欠かせない存在です。この独特の絵柄で、数多くの広告のポスターアートを制作していたことも、大きな魅力のひとつなんですよ
さとる
さとる
クラ子
クラ子
広告として使われるポスターを、このアートのように描いていたのですか!?
そうですね。アール・ヌーヴォーのテーマのひとつに、「芸術は特別な人だけのものじゃなく、街の中や日常の中にこそあるべきだ」という考えがあって。ミュシャのポスターも、「広告」と「芸術」の境界をつなぐ役割を果たしていたんです
さとる
さとる
クラ子
クラ子
それはすごいですね!たしかに、街中でこんなポスターを見かけたら、思わず立ち止まってしまいそうです
彼のスタイルは「ミュシャ様式」と呼ばれるほど独特で、花や星、植物の装飾に囲まれた女性像が特徴です。アール・ヌーヴォーの美意識を、ポスターという身近な形で多くの人々に届けたという意味では、本当に革新的だったんですよ
さとる
さとる

 

サクラダ・ファミリア

サグラダ・ファミリアは、アントニ・ガウディが設計したバルセロナの未完成の大聖堂で、1882年に建設が始まりました。自然をモチーフにした独特のデザインが特徴で、現在も建設中であり、2026年頃の完成が予定されています。ユネスコ世界遺産にも登録されています。

 

クラ子
クラ子
教科書で見たことあるけど、やっぱりすごい迫力です、、、!
ガウディの建築は、自然のかたちを建築そのものに取り入れてるんです。

サグラダ・ファミリアも、柱が木の幹みたいに枝分かれしていたり、光が森の中みたいに差し込んだりするのが特徴になっていますね

さとる
さとる
クラ子
クラ子
確かにあの塔も、まっすぐじゃなくてうねってる感じ。不思議だけど、なんか温かみがあります
それがガウディの魅力ですね。サグラダ・ファミリアは、建築でありながら彫刻であり、祈りであり、自然の一部でもあります。完成はもう少し先ですが、今でも多くの人を魅了してやまない名作なんです
さとる
さとる

 

 

地下鉄乗り場 (ポルト・ドフィーヌ駅 アベス駅)

パリの地下鉄入り口は、アール・ヌーヴォーの建築家エクトール・ギマールによってデザインされました。

1900年のパリ万博に合わせて設置されたこれらの入り口は、植物や昆虫を思わせる有機的な曲線が特徴で、鉄とガラスを用いた革新的な構造が注目を集めました。現在でもアール・ヌーヴォーの美を伝える都市遺産として親しまれています。

 

ポルト・ドフィーヌ駅 https://paris-rama.com/paris_spot/029.htm

アベス駅 https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Paris_metro_Abbesses.jpg

クラ子
クラ子
駅の入り口が芸術作品みたいなんて、パリの人たちおしゃれすぎます……!

ギマールも同じく、日常に芸術を広げるというアール・ヌーヴォーの思想を、公共建築にまで広げたんですよね
さとる
さとる

クラ子
クラ子
確かに、植物のようなうねる曲線になってますね!不思議な雰囲気が芸術を感じられます!

アール・ヌーヴォーの家具とは?

アール・ヌーヴォーはアートや工芸品のほかに、家具も影響を受けた様式の一つです
さとる
さとる
クラ子
クラ子
アール・ヌーヴォーの家具はどういうものなのでしょう?
ではアール・ヌーヴォーの家具の特徴を紹介しますね
さとる
さとる

クラ子
クラ子
アール・ヌーヴォーの家具本当に美術品みたいですね
植物のような曲線や自然のモチーフを取り入れたフォルムは、まるで作品のように仕上げられていますね
さとる
さとる

クラ子
クラ子
本当にそう思います!作品や家具を見て、植物とか女性のシルエットとか装飾もすごく繊細でロマンチックでした。時代を超えて美しいって感じるデザインの数々が素敵ですね

たくさんのデザインや作品が溢れている現代でも、アール・ヌーヴォー華やかさは魅力的に感じますね!
さとる
さとる
クラ子
クラ子
たしかに!ああいう家具が一つあったら、空間がぐっと華やかになりそう…!
アール・ヌーヴォーの家具って、たった一つでも雰囲気をガラッと変えてくれる力があるので、生活の中にアートを取り入れてみるのも良いことかもしれませんね!
さとる
さとる

 

 

アール・ヌーヴォーは建築から工芸品・室内装飾など多岐にわたって展開されています

そしてメゾン・ド・マルシェではクラシック家具やエレガントな雑貨を取り扱っております

アール・ヌーヴォーの家具・雑貨を是非店舗でご覧ください

 

もっと詳しいアール・ヌーヴォーの解説はここから↓↓

~Art Nouveau ~アール・ヌーヴォーについて

まとめ

“アールヌーヴォー 自然の美からなるデザイン革新とは?”として今回はアール・ヌーヴォーについて学びました。

今回紹介したものはアール・ヌーヴォーの一部です。

紹介したもの、またそれら以外もアール・ヌーヴォーの家具様式の魅力ある文化たちを是非もっと調べてみてください!

 

当店では素敵なクラシック家具を多数ご用意しております♪

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