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第11回 19世紀のクラシック家具様式①
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クラ子
最近クラシック家具のお店に入社した新人販売員。
ロリータファッションなど可愛いものが好き。

さとる
長年クラシック家具のお店に努めるベテラン販売員。
冷静だが家具の事になると熱く語りだすクラシック家具愛にあふれた先輩。
19世紀に登場した家具とは?

クラ子
18世紀はフランス革命によってルイ王朝が失脚しましたが、ここから様式の流れはどうなるんでしょうか?
ルイ王朝が失脚した後の19世紀フランスではナポレオン帝政となり、そこで生まれた様式が出てきます!

さとる

クラ子
そうでした!学校でも習った覚えがあります!ナポレオン1世は凄いリーダーシップでフランスの皇帝になったんですよね
そうですね!ナポレオン1世はフランス帝国を築き上げ、ヨーロッパの歴史に大きな影響を与えました。また、当時の代表的な建築としてエトワール凱旋門が挙げられます

さとる

クラ子
エトワール凱旋門もパリの観光地として有名な場所ですよね
そうなんです!それでは今回はナポレオン1世の帝政様式、アンピール様式から19世紀前期あたりの様式を見ていきましょうか

さとる
19世紀(前期)の大きな出来事
19世紀の家具を解説する前に時代の大きな流れを見てみましょう

さとる
日本では長かった江戸時代も後半に差し掛かります

さとる

クラ子
開国も始まり「日本の夜明けぜよ」という感じですね!
そうですね!坂本龍馬もこの時代活躍した人物の一人です

さとる
引用 Wikipedia 黒船来航 https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Commodore-Perry-Visit-Kanagawa-1854.jpg
引用 Wikipedia 坂本龍馬 https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Sakamoto_Ryoma.jpg
引用 Wikipedia アヘン戦争 https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Destroying_Chinese_war_junks,_by_E._Duncan_(1843).jpg

クラ子
19世紀のヨーロッパは、フランス革命で王政が廃止されて新時代が始まるのを感じていたように、日本も鎖国が終わり新しい時代に入るということですね!
そうですね!19世紀は各地でたくさんの様式が誕生します

さとる

クラ子
19世紀は世界的にもクラシック家具様式が誕生したのですね!
そうなんです!クラシック家具の歴史的にも重要な時代と言えますね

さとる
19世紀の家具様式たち
それでは19世紀に登場した家具様式をいくつか紹介しますね

さとる

クラ子
どんな家具様式があるか楽しみです♪
ナポレオン帝政の象徴 アンピール様式
ナポレオン戦争の終結後、ヨーロッパ社会は変動の時期を迎えました。
新たな富が生まれ、旧来の秩序に変革の兆しが見え、階級構造が変わり始めた時代です。
アンピール様式は、この新興階級が自らの富や地位を誇示する手段として選ばれ、その優雅で格式高いデザインは、当時の社会における「成功」と「繁栄」の象徴となりました。

クラ子
しかし、それではアンピール様式は古典を復刻したネオクラシシズム様式とどのように違うんでしょう?
どちらも古代ローマやギリシャを基にしていますが、アンピール様式は帝国的な要素が装飾やデザインから見られますね

さとる
ナポレオン・ボナパルトの玉座
引用 Wikipedia 帝政様式 https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Napoleon-Throne.480.jpg
ナポレオン・ボナパルトの居室
引用 Wikipedia 帝政様式 https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Versailles_Grand_Trianon_Napoleon%27s_Chamber.jpg
ナポレオン1世を象徴するモチーフが強調されたりして、ナポレオン1世が率いたフランス帝国の栄光を表現していますね

さとる

クラ子
本当ですね!アンピール様式はネオクラシシズム様式より豪華に感じ帝国の力強さを感じる様式ですね!
また、この時代で英雄となったナポレオン1世は、ロマン主義の文学や芸術の重要なテーマとなりました。

さとる

クラ子
当時から現代に語り継がれる伝説となったんですね!ナポレオン・ボナパルト、、、すごすぎます!
英国の風情 リージェンシー様式
リージェンシー様式は1811年〜1820年ジョージ4世がプリンス・リージェントとしてイギリスを治めていた時期に流行した建築および装飾様式です。
この時期は、イギリスの社会と文化において大きな変革が起こった時期であり、その影響を受けてリージェンシー様式は登場しました。
リージェンシー公ジョージ王子
リージェンシー公ジョージ王子の統治期間中、彼自身の好みやスタイルを反映した、エレガントで装飾的なデザインや古典的な要素が取り入れられた建築物や室内装飾が流行します。
この時代のスタイルが「リージェンシースタイル(様式)」と呼ばれています。

クラ子
比較的シンプルながら、エレガントな雰囲気もあって美しいです!
リージェンシー様式の家具は、曲線を使いながらもバランスが取れており、とても洗練されたデザインですね!

さとる

クラ子
色味や形状で優雅な英国の雰囲気を感じます!
そうですね!優雅ながらも控えめな装飾なので、現代のインテリアにも調和しやすいです!

さとる
より親しみを追求 ビーダーマイヤー様式
ビーダーマイヤー様式は、主に19世紀初頭のドイツ、オーストリア、スイスで流行した家具やインテリアデザイン、さらには芸術のスタイルです。この様式は、主にウィーンやドイツの中流階級を中心に発展し、ナポレオン戦争後の安定した時期に広まりました。
ナポレオン戦争が終結し、ヨーロッパが比較的安定した時期に入ると、庶民層の生活にも豊かさが広がり、日常生活の質を高めるための家具や装飾が求められるようになりました。そのため、ビーダーマイヤー様式は家庭的で落ち着きのあるデザインが特徴です。
ビーダーマイヤー様式の部屋イメージ

クラ子
あれ!現代のインテリアの雰囲気に近く感じませんか?
そうですね!中流階級から流行したこの様式の内装は心地よい生活空間をかもし出すべく落ち着いた色調で統一されてます

さとる
ビーダーマイヤー様式は庶民的な家具として広がりました

さとる

クラ子
なるほど、アンピール様式のような華やかな様式が流行った後にシンプルなデザインが好まれるのはよくあるんですか?
場所や時代によって様々ですが、ビーダーマイヤー様式の時代は特に日常的でシンプルなものに目を向ける傾向が出てきました

さとる
実用的なデザインで、過度な装飾も避けられていますね

さとる

クラ子
家庭的で落ち着きのあるデザインは素敵ですね。ビーダーマイヤー様式に倣って穏やかな部屋にも住んでみたいです!
アメリカンクラシシズムの象徴 フェデラル様式
フェデラル様式は、アメリカ独立後の新しい国の建築様式として、古代の古典的美学とアメリカの民主主義を融合させたスタイルでした。この様式は、アメリカの国家形成の象徴として重要な役割を果たし、特に公共の建物や邸宅で広まりました。
ホワイトハウス
ホワイトハウスはアメリカ建国時の建築様式を象徴する重要な建物であり、アメリカの新しい時代と価値観を象徴しています。フェデラル様式の選択は、アメリカが新しい独立した国として、古代ローマやギリシャの共和制、自由、民主主義といった理念を引き継ぎつつも、それをアメリカ独自のスタイルで表現しようとした意図を反映しています。
引用 Wikipedia ホワイトハウス https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Whitehousetour_cropped.jpg

クラ子
アメリカにもネオ・クラシックな建物が増えていったのですね
そうですね!新古典主義の要素も含んだフェデラル様式は公共の建築から一般住宅にも取り入れられました

さとる
独立後のアメリカ建築の基礎を築いたスタイルと言えますね

さとる

クラ子
フェデラル様式大活躍ですね!
建築同様、フェデラル様式は家具においても独立後のアメリカにおける重要なスタイルとなりました

さとる
マホガニーなどの高級木材の使用で家具に高貴さを与えており、上品な豪華さを感じますね

さとる

クラ子
なるほど!木材の深みのある色合いや質感で洗練された美しさがありますね!
また、アメリカではフェデラル様式に派生した様式も出てきます

さとる
ダンカンファイフ様式
19世紀初頭のアメリカで流行した家具のスタイルで、特にニューヨークを拠点に活躍した家具職人ダンカン・ファイフ(Duncan Phyfe)に由来します。ファイフは、アメリカ独立後のアメリカ建築と家具デザインの発展に大きな影響を与え、フェデラル様式と密接に関連しつつも、独自のエレガンスとスタイルを持った家具を生み出しました。
ダンカンファイフ様式は、主に高級家具に特化していて上流階級に好まれました

さとる

クラ子
家具職人の名前が様式になっているのですね
ダンカンファイフは、アメリカ初期の家具デザインの歴史において大きな影響を与えた人物です

さとる
ダンカン・ファイフ
引用 Wikipedia Duncan Phyfe https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Portrait_of_Duncan_Phyfe.jpg
ダンカン・ファイフ(Duncan Phyfe)は、1768年、スコットランド生まれのアメリカの家具デザイナー。19世紀初頭のアメリカで非常に有名な家具職人で特にニューヨークを拠点に活動していました。彼の家具デザインは、アメリカの初期の家具スタイル、特にフェデラル様式の発展に大きな影響を与えました。
シンプルでありながらも優雅な家具を作ることによって、当時の富裕層や政治家たちに非常に支持されました

さとる
ダンカンファイフが残した家具は、今もなお高い評価を受けています!彼の作品は、アンティーク市場でも非常に高額で取引されることが多く、現在も多くのオークションで彼の家具が出品されています

さとる

クラ子
なるほど!アメリカの家具の歴史を支えた重要な人物なんですね!

クラ子
アンピール様式から始まる19世紀の様式は、様々な歴史がある中で各国で進化していくのを感じました
クラシック家具も歴史・地域で様々な形に変わっていますね

さとる

クラ子
いろんな様式が知れて楽しいです♪
それでは次回は19世紀後半の家具様式を見ていきましょう

さとる

クラ子
19世紀は世界中のクラシック家具様式が見られて素晴らしいです!
19世紀のクラシック家具様式は建築・家具において様々な様式が展開されています
そしてメゾン・ド・マルシェではクラシック家具を取り扱っております
19世紀の家具様式を是非店舗でご覧ください
もっと詳しい19世紀の家具様式やアンピール様式・リージェンシー様式の解説はここから↓↓
19世紀の家具様式解説トピックス ~19世紀のクラシック様式~ 古典の輝きが息づく時代
アンピール様式解説トピックス ナポレオンの輝き ~アンピール様式の魅力を贅沢に味わう~
リージェンシー様式解説トピックス リージェンシースタイルについて
まとめ
“19世紀の家具様式①”のアンピール様式をはじめとした19世紀の家具様式(前期)について学びました。
今回紹介したものは19世紀の家具様式の一部分です。
紹介したものまたそれら以外も19世紀の家具様式の魅力ある文化たちを是非もっと調べてみてください!
当店では素敵なクラシック家具を多数ご用意しております♪