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~英国の黄金時代を彩るヴィクトリアン様式~ 家具デザインの歴史

~目次~

プロローグ:華麗なる時代の序章-ヴィクトリアン様式の家具の魅力に迫る
1. ヴィクトリアン様式の舞台
2. ヴィクトリア女王の生涯と政治的功績
3. 華やかな時代の精緻なる芸術:ヴィクトリアン様式の家具
4. ヴィクトリアン様式時代の建築と芸術: 変革と多様性の華麗な時代
エピローグ:ヴィクトリアン様式の輝きを今に伝える

プロローグ:華麗なる時代の序章-ヴィクトリアン様式の家具の魅力に迫る

アレクサンドリナ・ヴィクトリア

アレクサンドリナ・ヴィクトリア

 

 

ヴィクトリアン様式の家具は、19世紀中頃から20世紀初頭にかけて英国で栄え、ヴィクトリア女王の時代に広がり、エレガントで豪華なデザインが特徴です。家具に限らず建築や芸術、ファッションなどにもその影響が及んだといわれています。

 

1. ヴィクトリアン様式の舞台

ヴィクトリアン様式は、19世紀初頭のリージェンシー様式☞詳しくはこちらから発展し広がりました。

この時期はリージェンシー様式から引き継がれたエレガントで装飾的な特徴が見られ、同時に新しいデザインの方向性が模索された時代です。

 

ウィリアム4世の時代を経て、1837年にヴィクトリア女王が即位。

これがヴィクトリア朝時代の始まりです。

約64年にわたったヴィクトリア女王の統治は、帝国の黄金時代として知られており植民地の拡大や産業革命の進展によってイギリスは経済的な力を蓄え、文化的な発展も著しいものでした。

この栄光の時代において、ヴィクトリアン様式の家具は装飾的で優雅なデザインで隆盛を極め、時代を彩る重要な要素となっていきました。

 

2. ヴィクトリア女王の生涯と政治的功績

2-1 ヴィクトリア女王の生涯

 

イギリス:ロンドン=ケンジントン宮殿

 

 

ヴィクトリア女王(Queen Victoria)は1819年5月24日、イギリスのケンジントン宮殿で生まれました。

幼少期は孤独なものであり、母親から厳格な教育を受ける一方で芸術や文学に親しむ機会も得ました。

 

父親の死後、18歳で即位し、ヴィクトリア女王として戴冠しました。

そして、いとこであるアルバート公と結婚。

夫妻仲は幸福で、アルバート公は科学や芸術に興味を持ち、文化の支援者として知られました。

9人の子供をもうけるなど、彼らの結婚生活は国内外に広く尊敬されました。

アルバート・オブ・サクス=コバーグ=ゴータ公子

 

 

2-2 政治的な影響と功績

ヴィクトリア女王は立憲君主制のもとで君臨し、君主の権限が制限されつつも、象徴的な役割や影響力を有しました。

多くの首相と協力し、ロバート・ピール、ウィリアム・グラッドストン、ベンジャミン・ディズレーリらとの関係が知られています。

 

第2代準男爵 サー・ロバート・ピール

 

 

ウィリアム・ユワート・グラッドストン

 

 

初代ビーコンズフィールド伯爵

ベンジャミン・ディズレーリ

 

 

彼女の役割は基本的には儀礼的なものでしたが、政治的な意見やアドバイスを述べることもありました。

のちにイギリスは帝国を統一し、海外の植民地を拡大して産業革命や技術の進歩により、帝国は規模と経済的な影響を拡大しました。

 

また、ヴィクトリア女王は外交的な役割も果たし、ヨーロッパの他の王室との関係を築き

「ヨーロッパの王室の祖母」と呼ばれました。

在位期間が非常に長かったため、即位50周年や60周年のジュビリーは国内外で祝賀され、ヴィクトリア朝の栄華を象徴する出来事となりました。

 

ヴィクトリア女王は1901年に87歳で亡くなり、「ヴィクトリア朝」は彼女の個人的な魅力と

国家に対する影響力を示すものとなり彼女の名前は歴史的な尊敬を集め、19世紀後半のイギリスの歴史に深い足跡を残しています。

 

3. 華やかな時代の精緻なる芸術:ヴィクトリアン様式の家具

3-1 ヴィクトリアン様式の家具デザイン

ヴィクトリアン様式の家具は、時代背景や産業革命の進展により多様な様式が混在するエクレクティックな時代の産物です。

産業革命によって工業生産が進み、多様なデザインが可能になると、デザイナーたちは様々な様式や時代の特徴を取り入れ、

復古させたり、組み合わせたりして新しいデザインを生み出しました。

これによってジャコビアンリバイバル、ルネサンスリバイバル、ゴシックリバイバル、ロココリバイバル、クイーンアンリバイバルなどの様式が同一の家具に共存しました。

 

3-2 新しいデザインの家具

ヴィクトリアン様式では、折衷的なスタイルに新しいデザインの家具も誕生しました。

ヘンリー・エイルズによる椅子など、これまでにない形状やデザインが登場し、ヴィクトリア女王の陶板がはめ込まれた椅子のような、個性的で美しい家具が人気を博しました。

 

3-3 代表的なヴィクトリアン様式の家具

『バルーンバックチェア』

ヴィクトリアン様式の家具の中でも人気が高く、独自の特徴がありますのでご紹介いたします。

 

a. 風船状の背もたれ

バルーンバックチェアは、名前の通り、背もたれが風船のような独特の形状をしており、従来の椅子とは異なるところが魅力的です。

背もたれの上部が広がり、優雅な湾曲を描いているのが一般的で、この形状がバルーンバックチェアの特徴となっています。

 

くつろぎの空間に上品な雰囲気をもたらすリビングルームや、寝室のアクセントしてもよく見られました。

特に女性の寝室において、バルーンバックチェアの優美な外観が空間と調和して、優雅で落ち着いた雰囲気を醸し出しました。

 

また、特異なデザインゆえに部屋全体の装飾としても活用され、一つの椅子が持つ存在感が空間全体を引き締めてエレガントな雰囲気を演出しました。

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b. 木製の細い脚部

バルーンバックチェアは、通常、細くて優雅な木製の脚部を備えています。

この様な脚は、全体のデザインに調和し、繊細な足元を演出しています。

 

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c. 装飾的な彫刻とディテール

バルーンバックチェアには背もたれや脚部に装飾的な彫刻が施されています。

ディテールは、家具に高級感と豪華さを与え、時代の流行にマッチしています。

また鋲飾り(スタッド)が特徴的に使用されることもあり、ソファの腕や座面、背もたれの周囲に手作業で配置され、伝統的で格式高い外観を形成しました。

 

3-4 ロンドン万国博覧会とヴィクトリアン様式の家具への影響

1851年のロンドン万国博覧会は、ヴィクトリアン様式の家具に重要な影響を与えました。

 

 

a. デザインの多様性と革新

ロンドン万博では、異なる国々が自国の技術や製品を紹介するために出展しました。

これによって、異なる文化やデザイン様式が相互に交わり、多様性と革新が促進され、新しい素材や製法も導入され、ヴィクトリアン様式の家具にも反映されたのです。

 

 

b. クリスタル・パレスの影響

ロンドン万博の中心的な建物であるクリスタル・パレスは、鉄とガラスを主体とした 革新的な建築でした。

当時の最新技術を使用しており、 産業デザインや工業製品の進化に寄与しました。

ヴィクトリアン様式の家具においても、金属やガラスの使用が増加し、

家具デザインに新たな要素をもたらしました。

 

 

c. 一般市民のアクセス

ロンドン万博は一般市民にも広く開かれたため、上流階級だけでなく一般の人々も新しいデザインや製品に触れ、家具への関心が高まりました。

これがのちに消費者需要の増加に繋がりました。

 

 

4. ヴィクトリアン様式時代の建築と芸術: 変革と多様性の華麗な時代

ヴィクトリアン様式時代は、産業革命や科学技術の進歩、植民地拡大などが重なり、建築や芸術に深い影響を与えました。

**建築**

a. セント・パンクラス駅(St Pancras Station)
ゴシックリバイバル様式の代表的建築物で、優美な尖塔や飾りの施されたアーチが特徴です。美しい時計塔も印象的です。

 

 

 

b. ウェストミンスター宮殿(Westminster Palace)
パラディニアン・ゴシック様式の大規模な宮殿で、ヴィクトリア朝の政治の中心地となりました。高い尖塔と複雑なアーケードが特徴です。

 

 

 

c. アルバート・ホール(Royal Albert Hall)
ヴィクトリア女王の夫、アルバート公への追悼として建設されました。円形の建物で、外観は独特なドームと彫刻で飾られています。

 

 

 

d. クリスタル・パレス(水晶宮/Crystal Palace)
ジョセフ・パクストンによってデザインされた、鉄とガラスで構築された建築物。1851年のロンドン万博の会場として使用されました。

 

 

 

 

**芸術**

a. ラファエル前派(Pre-Raphaelite Brotherhood)

ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ、ジョン・エヴァレット・ミレー、ウィリアム・ホルマン・ハントらによって設立された芸術運動。
彼らの絵画は中世絵画の影響を受け、美的な表現において詩的で感傷的なテーマが多いです。

 

ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ

 

 

初代准男爵
サー・ジョン・エヴァレット・ミレー

 

 

ウィリアム・ホルマン・ハント

 

 

 

 

 

 

b. アーツ・アンド・クラフツ運動(Arts and Crafts Movement)
ウィリアム・モリス 詳しくはこちら を中心に、手工芸や美的なデザインを重視した運動。これで生み出された家具やテキスタイルは、自然主義的で手仕事の技術を強調しています。

 

ウィリアム・モリス

 

 

Strawberry Thief:いちご泥棒

 

 

Golden Lily:ゴールデンリリー

 

 

 

 

 

c. ジョン・テニエルの挿絵
ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』など、多くの文学作品に挿絵を提供したイラストレーター。彼の作品は幻想的で独特なスタイルを持っています。

これらの建築物や芸術作品は、ヴィクトリアン様式時代の多様性と独自性を反映しています。産業革命や社会の変化に伴い、新しい美的嗜好や芸術的アプローチが興った時期でした。

ジョン・テニエル

 

 

著者:ルイス・キャロル=『不思議の国のアリス』

 

 

 

 

 

 

エピローグ:ヴィクトリアン様式の輝きを今に伝える

ヴィクトリア様式の家具は、歴史とデザインの調和から生まれた傑作です。
時代の変遷とともに進化したこれらの家具は、今なおその輝きを失っていません。

メゾン・ド・マルシェでは、その華麗な時代を感じさせる家具たちを取り揃えていますので、ぜひ当店で、ヴィクトリアン様式の贅沢な世界に触れてみてください。

 

 

 

 

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