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象嵌家具について
象嵌(ぞうがん)とは「象」=模る「嵌」=はめるという意味で、
一つの素材に異なった素材を嵌め込んで模様を描く技法のことを言います。
今回はこの象嵌について少しお話させていただこうと思います。
象嵌と呼ばれるものには、金工象嵌、木工象嵌、陶象嵌など様々な種類があり
近年ではギターやビリヤードのキューなどにも使われていますが、
アンティーク家具やクラシック家具でよく使われているのは木工象嵌です。
無垢材の家具の表面に模様を彫り、
その模様に沿って切り取った色の異なる木片をはめ込んで模様を描く木工象嵌はとても細かく
模様を見ていると、手間と時間がとてもかかっていることがよく分かります。
象嵌と突板の関係性
象嵌家具のデザインが美しい理由の一つが突板にあります。
象嵌を作るためには、ウォールナット材のように堅くて
収縮の少ない上質な木材の突板が必要であり、
今のように道具や機械がなかった時代には、
堅い木を薄くスライスして突板を作ることが出来なかったので、
象嵌や寄木細工などの模様が入った家具は存在しませんでした。
17世紀中頃に技術が発達し、突板が作れるように
なったことで家具のデザインが大きな変化を
もたらし、象嵌や寄木細工などの美しい模様を
木材で作り、家具に描けるようになったことで
美術品のような家具が流行しました。
日本ではプリント合板と突板を勘違いする方も多く、
突板=ダメな家具というイメージを持たれる方も
多いようですが、ヨーロッパの突板は、日本の
無垢材に匹敵するくらいの厚みがあり、無垢材を
そのまま使って造られている家具よりも価値が高い
と評価されることも多いとされています。
[模様の種類]
象嵌に使われている模様には意味が込められているものも有り、
一部をご紹介させていただきます。
[ロゼット(太陽)]
ロゼットと呼ばれる太陽を表す模様です。
太陽には生命力・エネルギー・成功などの意味が
含まれており、天板などによく使われています。
[ストリンギング]
細い線を彫り、糸状にした木などをはめ込む技法です。
引き出しや天板などによく使われています。
[花]
お花の模様は象嵌細工の中で最もよく使われている模様です。
描かれているお花毎に意味が込められていたりします。
扉や天板など様々な所に使われています。
この他にもいろいろな模様がありますので、
意味を調べてみるのも面白いかもしれません。
[メゾン・ド・マルシェにて取り扱い中の象嵌家具]
「象嵌 チェスト」ジョナサンチャールズ
商品番号:492215
サイズ:W76.2 x D42.5 x H75.6 cm
詳細は《こちら》
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この他にも、メゾン・ド・マルシェ各店では木工象嵌が使われている
色々なクラシック家具のお取り扱いがございますので、ぜひ一度ご来店くださいませ。