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シャンデリアの歴史
《シャンデリアの歴史》
シャンデリア(chandelier)の語源はラテン語の
「輝く・白く光る」もしくはフランス語の
「蝋燭(ロウソク)立て」という意味の言葉のいずれかであると
いう説があります。これらの言葉の通り、初期の
シャンデリアは木製の十字型をした器具の上に
蝋燭を立てて使用されていました。
歴史は非常に古く、シャンデリアの前身と呼べる物は
古代ギリシャ・ローマ時代にはありました。
この頃すでに蝋燭が存在していましたが非常に
貴重だったため、限られた場所でしか使用することが
できませんでした。中世における初期のシャンデリアは
教会や修道院で大きなホールを効果的に照らすために
用いられ、一般的に木製の十字架型をしておりいくつもの
犬釘(いぬくぎ)が埋め込まれ、それにロウソクが立てられるようになって
全体が天井の留め金やフックからロープで適当な
高さに吊り下げられていました。
その後、11世紀に入ってから本格的なシャンデリアが登場します。
王冠型、もしくは車輪型と呼ばれるデザインが中心で
ロマネスク調の寺院でも使用されていたことから
「ロマネスク風」とも呼ばれています。
「ロマネスク風寺院 ピサ大聖堂内部」
《車輪型シャンデリア》
16世紀頃にはヨーロッパの先進的地域として繁栄していた
フランドル(オランダ、ベルギー)地方で作られたディナンドリーと
呼ばれる質の高い真鍮の装飾品で作られた真鍮シャンデリアがルイ13世の統治したフランスにおいて流行します。
《真鍮シャンデリア》
17世紀には水晶を用いた最初のシャンデリアが登場します。
ルネサンス時代の後にバロック様式がヨーロッパ中に広まり、
特にルイ14世(1643-1715)が活躍した時代には頂点に花束があしらわれた花瓶型
もしくは竪琴型の銅メッキの軸にきらびやかな水晶を装飾したものが流行しました。
ヴェルサイユ宮殿 鏡の間 ルイ14世
スタイルシャンデリア
現代のようなガラスの装飾をふんだんに使った
シャンデリアが生み出されたのは18世紀の出来事です。
それまでも装飾に水晶が用いられることが
ありましたが安価で加工のしやすいガラス製の
シャンデリアが多く生み出されるようになりました。
女帝と呼ばれたオーストリアのマリア・テレジア
(1740-1780)が職人に命じて造らせたことから、
マリアテレジア型とも呼ばれる金属板アームを
クリスタルガラスで挟み込み、1本1本真鍮線を
用いて両端を花形のクリスタル飾りで留めていく
手の込んだ手法を用いたスタイルが生み出されました。
このスタイルは見栄えが大変よく現代においても
人気があるスタイルの一つです。
《マリアテレジア》
18世紀のイングランドでガラス職人達が価格を
抑えるために高価なクリスタルでできたガラスの
腕木をやめ、代りにガラスの破片からできた
クリスタルの粒を繋げてシャンデリアの頂点から
垂らしてテントのような形をつくるスタイルを
確立し急速にヨーロッパ全土へと広がっていきました。
当時のフランスはナポレオン1世が活躍しており、
ナシ型や王者の冠を連想させるフォルムの
シャンデリアが流行しナポレオン1世の宮廷で
“エンパイアスタイル”として完成され、そのスタイルは
豪華絢爛で現代においても大変人気のスタイルです。
ROYAL DOULTON LIGHTING
200-2130
¥181,500-
エンパイア様式シャンデリア
19世紀になるとフランスで高品質の
ガラス・シャンデリアを製作されるようになります。
特にガラス生産社バカラが1820年代に
鉛ガラスを用いたシャンデリアを製作するように
なりそれ以来世界で最も有名なクリスタル生産社
となりました。
バカラシャンデリア
19世紀初頭には石油、次に灯油のシャンデリアが
誕生し19世紀後半にはガス灯のシャンデリアが
登場します。
ガス灯ペンダント
ガス灯はロウソクの光りに比べて明るすぎたので、
光りを和らげるためにアラバスターで半透明の覆いが
製作されたりしました。シャンデリアと照明デザインに
最も影響をもたらしたものは、1879年に
トーマス・エディソンによって発明された電球です。
電球はすぐに一般家庭でも使われるようになり
シャンデリアの明かりにおいて
電球が使用されるようになりました。
日本には明治以降、洋風建築と共に移入され、
当時のシャンデリアとしては旧赤坂離宮のものが
最も大きく華麗であり、旧朝香宮邸(東京都庭園美術館)
内にあるルネ・ラリックのシャンデリアは
アールデコ様式のシャンデリアとして有名です。
「ルネ・ラリックシャンデリア」
メゾン・ド・マルシェ各店では
世界各国様々なスタイルのシャンデリアを多数ご用意いたしております。