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第14回 アール・デコの”幾何学的デザイン”とは?

Character

クラ子
最近クラシック家具のお店に入社した新人販売員。
ロリータファッションなど可愛いものが好き。

さとる
長年クラシック家具のお店に勤めるベテラン販売員。
冷静だが家具の事になると熱く語りだすクラシック家具愛にあふれた先輩。
アール・ヌーヴォーの次の様式とは
クラ子
前回はアール・ヌーヴォーの自然の繊細な表現がすごく魅力的でした!
魅力が伝わって何よりです!
さとる
しかし時代は1920年代に入り、違うスタイルの“アール・デコ”へ移っていくんです
さとる
クラ子
え!早いですね!流行って、いつも残酷なスピードで移り変わっていきますね……。
そうですね。しかも名前はアール・ヌーヴォーと兄弟のようですが全く別のスタイルになるんです
さとる
アール・デコを象徴するものとして、アメリカの「クライスラー・ビル」が挙げられますね
さとる
クラ子
見た感じなんだかアール・ヌーヴォーの雰囲気とは打って変わってアール・デコは都会な雰囲気なのですね??
そうですね!それでは今回は世界の各地で都市化が進んだ、1920~1930年あたりで発展した様式、アール・デコの歴史や特徴、家具を解説しますね
さとる
クラ子
私も都市の魅力を含んだアール・デコ、気になってきました!
アール・デコの時期に起きた出来事
解説をする前に、まずアール・デコの時期にどのような出来事があったのかを見てみましょう
さとる
日本では、大正から昭和時代の移り変わりの時期にあたります
関東大震災で被災し、都市部では復興の際に都市化が進んでいった背景がありました
さとる
クラ子
都市化が進む中で日本も洋風になっていったんですよね!
そうですね!ボブカットで、ワンピースにヒールの「モダンガール」など当時は革新的なファッションが入ってきました
さとる

引用 Wikipedia 芥川龍之介 https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Akutagawa_Ryunosuke_photo2.jpg
この時期は、第一次世界大戦後であったことや世界恐慌が起こり、日本・世界どちらを見ても時代は不況でした。のちに第二次世界大戦も起こることもあって、不安定な時代の真っ只中と言えるでしょう
さとる
クラ子
争いの世の中で不安な時代なんですね、、、
そんな中生まれたアール・デコは、非常に革新的なものでした!
さとる
クラ子
しかし、そんな革新的な様式美はこの世の中でどうやって生まれたのでしょう?
では、アール・デコがどのようにして生まれたのかを解説しましょう
さとる
アール・デコとは?
まずは、アール・デコの歴史を解説しますね
1925年のパリで行われた博覧会から、アール・デコが広く認知されるきっかけとなりました
さとる
現代装飾美術・産業美術国際博覧会(1925年)

引用 Wikipedia 現代装飾美術・産業美術国際博覧会 (1925年) https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Paris-FR-75-Expo_1925_Arts_d%C3%A9coratifs-vue_esplanade_des_Invalides.jpg
この博覧会は、戦後フランスの近代的な装飾芸術と産業デザインを世界に示すことを目的としており、20か国以上が参加しました。会場はグラン・パレやセーヌ川沿いなど広範囲にわたり、建築、家具、陶器、ガラス、宝飾、グラフィックなどさまざまな分野の展示が行われました。歴史的様式を避け、機能性と美しさを両立させたモダンなデザインが重視され、この博覧会をきっかけに「アール・デコ」というスタイルが国際的に広まりました。
アール・デコ博覧会とも呼ばれていて、この博覧会で出品された服飾品や建築にみられるもの、また同時代の精巧で華麗な装飾芸術やデザインにアール・デコという言葉が使われるようになりました
さとる
クラ子
万博や博覧会のような展示で様式が知れ渡ったのは、アール・ヌーヴォーと同じですね!
当時は発表の場が多かったんですかね
良いところに気づきましたね!この時期は産業と技術の発展を世界に披露する場として、各国が万博や博覧会を盛んに開催しました
さとる
クラ子
各国の技術を誇示する場所になっていたんですね!今でももっと開催してほしいです。私科学館とか行ったらテンションあがっちゃうタイプなんです!
いいですね。好奇心で溢れていて素晴らしいです!
当時はデジタル化やグローバル化が進んでおらず、万博や博覧会で最新技術を共有する一面もありました
さとる
アール・デコの特徴
では、そんな時代に生まれたアール・デコの特徴を解説しますね
さとる
クラ子
ついにアール・デコの全貌が明らかになるのですね、、、
まさに当時の万博に来た人々はそんな気持ちだったと思います(笑)
さとる

引用 https://www.pen-online.jp/article/005656.html
クラ子
なんかスタイリッシュな感じがしてカッコいいですね!
そうですね。アール・デコは幾何学的なデザインは整っていますが、その装飾が目を引きますよね
さとる
クラ子
直線と曲線が組み合わさってる感じとかちょっと近未来っぽくないですか?
工業製品の美しさをデザインに取り入れて、ステンレスやクローム、ガラスといった素材が、建築や装飾品、日用品に広く用いられました。機械的でクールな雰囲気を表現しています
さとる
クラ子
なるほど~!自然や人間っぽさより都市や機械のクールな雰囲気ですね!これもまた惹かれます♪
アール・デコの作品や建築物
クラ子
アール・デコの作品も気になります!
分かりました!アール・デコの作品・建築物をいくつか紹介しますね!
さとる
ルネ・ラリック
ルネ・ラリック(1860–1945)はフランスのジュエリーとガラス工芸の巨匠で、アール・ヌーヴォーからアール・デコへと時代の流れに沿って独自の美を追求しました。ラリックの作品は、芸術性と実用性を兼ね備えた装飾美術の象徴とされています。

引用 Wikipedia ルネ・ラリック https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Ren%C3%A9_Lalique_01.jpg

引用 Wikipedia Spirit of the Wind https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Lalique_%22Spirit_of_the_Wind%22_Mascot_-_Flickr_-_ingridtaylar.jpg

引用 花瓶「つむじ風」 https://www.g-orphee.com/lalique/vases/item26194
フランスのジュエリーとガラス工芸のデザイナーで、アール・デコはガラス工芸で活躍したすごい人なんですよ
さとる
クラ子
ルネ・ラリックは時代の美意識を引っ張った人なんですね、、、!ちょっと憧れます!
そうですね。先ほど紹介したアール・デコ博覧会で、ラリックはガラス作品を大々的に展示して、世界中の注目を集めたので装飾美術の立役者といっていいですね!
さとる
ジョルジュ・バルビエ
ジョルジュ・バルビエ(1882–1932)は、アール・デコ時代を代表するフランスのイラストレーター・ファッション画家です。洗練された色彩と優雅な線で、ファッション誌や舞台衣装、本の挿絵など幅広く活躍しました。彼の作品は幾何学的構成や装飾性、異国趣味を取り入れながら、常に上品で芸術的な世界観を表現し、アール・デコの美を視覚化した重要な存在とされています。
ジャンヌ・パキンのガウン

引用 Wikipedia ジョルジュ・バルビエ https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Paquin3.jpg
バルビエのスタイルはとても洗練されていて、精密で装飾的なんです。人物のポーズや衣装がとにかく優雅で、背景も装飾的に作り込まれていて、まさにアール・デコの美意識を体現した画家と言えますね
さとる
クラ子
へぇ〜、なんか見てると動きはないのにすっごくドラマチックっていうか、、、舞台みたいな雰囲気があります
そうですね!バルビエの優雅で異国情緒感じる世界観はファッションやグラフィックデザインに時代を超えて影響を与えました
さとる
クライスラービル
クライスラービルは、1930年にニューヨークに完成したアール・デコ様式の超高層ビルです。ステンレス製の尖塔と幾何学模様の装飾が特徴で、自動車メーカー・クライスラーの本社として建てられました。優雅で未来的なデザインは、アール・デコ建築の代表例とされています。

クライスラービル内エレベーター

引用 クライスラービル内 https://hiddenarchitecture.net/chrysler-building-lobby-and-observatory/
エンパイア・ステート・ビルディング
エンパイア・ステート・ビルディングは、1931年に完成したニューヨークの超高層ビルで、当時は世界一の高さを誇りました。アール・デコ様式の代表的建築で、直線的でシンプルなデザインと尖塔が特徴です。商業・オフィスビルとして機能し、アメリカのアール・デコとモダニズム建築の象徴とされています。

86階展望台

エンパイア・ステート・ビル 86階 https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Empire_State_Building_86th_floor.jpg
クライスラービルのあの放射状の頂上部は幾何学的な模様で装飾されていて、金属の光沢が未来感を出していて彫刻的でもある、、、。そんな機械の美と装飾性の融合なんです
さとる
クラ子
幾何学模様かっこいいですね!エンパイア・ステートビルも同じ頃に建てられたんですよね?見た感じ模様はないですがこれもアール・デコなんですか?
こっちはもっと直線的でシンプルなアール・デコスタイルですね。装飾は控えめだけど、垂直性の強調が特徴的ですね。室内装飾はメカニックな雰囲気がクールですよ!
さとる
当時の建築全体が「時代の理想」そのものだったんですよね!機械、未来への憧れ。このニューヨークの2つのビルからそれが伝わってきます!
さとる
クラ子
うわっ、熱いですね!特に男性はこういう機械的なデザインを好む方が多そうです。
さとるさんの言う通り、確かにクールで都会な雰囲気はニューヨークを構成する一つになっていますね!
東京都庭園美術館
東京都庭園美術館は、東京・白金台にあるアール・デコ様式の美術館です。1933年に建てられた旧朝香宮邸を改修し、1983年に開館しました。庭園は日本庭園と西洋庭園が融合し、当時の姿を残しています。2014年に新館も加わり、現代的な展示空間が広がっています。

引用 Wikipedia 東京都庭園美術館 https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Tokyo_Metropolitan_Teien_Art_Museum.jpg
正面玄関

引用 正面玄関 https://www.fashion-headline.com/article/11527/120656
次室(つぎのま)にある、白磁製の「香水塔」

引用 Wikipedia 香水塔 https://commons.wikimedia.org/wiki/File:The_porcelain_fountain_in_the_Tokyo_Metropolitan_Teien_Art_Museum.jpg
室内装飾
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引用 室内装飾 https://www.my.metro.tokyo.lg.jp/w/001-20220520-00003590
日本における本格的なアール・デコ様式の数少ない例ですね。とくに注目すべきは、フランスのデザイナー、アンリ・ラパンやルネ・ラリックといった当時の一流アーティストが関わっていて本格的なアール・デコの建築物っていえるでしょう
さとる
クラ子
えっ、ルネ・ラリックってあのガラス工芸の人!? 日本の建物でもかかわっているものがあるのですね!
そう、ラリックのガラス装飾は正面玄関の扉に使われています。あの洗練された豪華な雰囲気はまさにアール・デコの優雅な美を象徴していますね
さとる
クラ子
綺麗な室内の中に模様や装飾があって素敵です!
豪華な雰囲気もありつつ整然している室内装飾は、アール・デコの真骨頂を感じますね
さとる
モダンとの違い
クラ子
アール・デコの作品や建築色々見ましたが、色彩とか直線っぽさとかモダンっぽいですよね
ほぼ同時期に登場したモダンデザインとは少し似ている部分もありますが、アール・デコとモダンは目指してた美しさがまったく違うんです!
さとる
クラ子
えっ、そうなんですか!?なんかどっちも「近代的なデザイン」ってイメージだったんですけど、、、。
ではしっかり解説しますね
さとる

引用 モダン https://www.adfwebmagazine.jp/architect/corbusier-and-villa-savoye/
アール・デコは近代の豪華さを追求したスタイルなんですね。幾何学的なパターン、高級素材の使用、芸術的な装飾を取り入れて、「新しい時代のエレガンス」を演出しラグジュアリーに表現しようとしています
さとる
クラ子
ピカピカの金属とか、まさに“時代のセレブ”って感じです!
一方で、モダン建築は徹底して装飾を排除するスタイルで、機能を最優先にし、「必要なものだけを残す」という哲学がありますね
ル・コルビュジエや、バウハウスの建築家たちが代表的で、「家は住むための機械だ」っていう考え方を持っていました
「無駄な装飾は“堕落”」とまで言われていたくらいです
さとる
クラ子
えーっ、それはアール・デコと真逆ですね!?アール・デコはむしろ「装飾がメイン」って感じなのに
その通りです
アール・デコは未来への憧れを豪華なデザインでラグジュアリーに表現していますが、モダンは合理性や機能性の美しさを重視しています。
アール・デコは未来への憧れを豪華なデザインでラグジュアリーに表現していますが、モダンは合理性や機能性の美しさを重視しています。
さとる
クラ子
同じ“未来志向”でも、目指す理想が違ってたんですね
アール・デコの家具とは?
ではアールデコの家具を見ましょうか
さとる
クラ子
待ってました!





アール・デコの家具も、洗練された印象を与えますね。どっしりしていて存在感が強いものもありますが、同時に優雅さも感じられて品があります!
さとる
クラ子
カッコよさや優雅さが感じられて素晴らしいですね!クラシカルなデザインもいいですがこういう洗練された家具も素敵です!
部屋に置くだけで空間全体が引き締まって、見た人に豊かで格式のある雰囲気を伝えますね
さとる
クラ子
確かに格式を感じます!座って本読んでたら画になる家具ですね
まさにその通りで、アール・デコの家具は生活空間をスタイリッシュな空間に変えてくれる存在です!
さとる
アール・デコは建築から工芸品・グラフィックアート・室内装飾など多岐にわたって展開されています
そして、メゾン・ド・マルシェではクラシック家具やエレガントな雑貨を取り扱っております
アール・デコの家具・雑貨を是非店舗でご覧ください
もっと詳しいアール・デコの解説はここから↓↓
まとめ
“アール・デコの幾何学的デザインとは?”として今回はアール・デコについて学びました。
今回紹介したものはアール・デコの一部です。
紹介したもの、またそれら以外もアール・デコの家具様式の魅力ある文化たちを是非もっと調べてみてください!
当店では素敵なクラシック家具を多数ご用意しております♪








