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エミール・ガレ ~現代に受け継がれる珠玉のコレクション~
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『Emile Galle (エミール・ガレ)』 1846-1904 フランス・ナンシー生まれの植物・昆虫学者。
ガレは、父の経営する陶器・ガラス会社の芸術部門の責任者となり、のちに継承します。
情熱を注いでいた植物や昆虫はガレの主要な題材となり、それらを洗練された感性と、想像力でリリカルに表現しました。
高島北海との出会いによっていさらに「ナンシーに生まれた日本人」と評されるほど、ジャポニズム要素のある叙情豊かな型や文様を用いて、過去のガラス製品の概念を覆し、美的表現の手段として製造を行っていきました。
ガレによって、ガラスは単なる生活工芸品から美術の領域にまで引き上げられたと言えます。
ティップ ガレ-tip galle-とは
フランス・ナンシー工房の閉鎖後、当時責任者だったイタリア人のモンテッシーを中心に熟練のクラフトマン200人余りが、ルーマニアの王室のまねきにより移り住み、ガレ工房の技術や伝統を多くの弟子たちに伝承しました。「TIPガレ」はガレ工房の作品をもとにルーマニアで製作され、オランダハーグ国際裁判所の公認を得ています。自然界に生きる植物や昆虫、四季の風景をモチーフにしたガレの詩情豊かな作風と高度な技術を駆使して、多彩な文様を浮き彫りに現代に甦らせました。
ティップガレ 伝承される匠の技
【被(き)せガラス】・・・
透明なガラス素地に異なった色ガラスを部分的、あるいは全体にわたって被せかける技法。
【エッチング(酸化腐食彫り)】・・・
ガレ作品で多用される技法。模様部分の皮膜をパラフィンなど保護膜で覆った後、模様を描き、それをフッ化水素と硫酸の混合液で腐食させて模様を作る技法。
【グラヴェール】・・・
金属円盤に道具を取り付け回転させ、ガラスの表面を削り、細かい文様や文字をレリーフ状に掘り出す技法。
【スフレ】・・・
2つに割れる木型の内面に凹刻を施し、そこにガラスを吹き込むと窪んだ面がガラスに転写され凸面となる(フルーツや蝶など)技法。
【サリシュール】・・・
ガラス素地に粉をまぶしつけ、斑紋を生じさせる技法。本来、失敗作とされるものをも、ガレにより作品の装飾の多様な表現の技法のひとつとして認められた。
【アップリケ】・・・
ガラスで花や昆虫を立体的な装飾に施す技法。
【カメオ彫り】・・・
グラヴェール(彫り)やエッチング(腐食溶解)といった技法によってガラスの深浅を加減し、段階的な色の変化を生み出し、文様を浮き上がらせる技法。
エミール・ガレは、様々な技法を用いて、新しいガラス表現を追求していきました。これらの技法には、従来のガラス器製法では失敗とされていたものや、新たにガレが開発したものも多くあります。ガレの自然美を追求するオリジナリティが作品を唯一無二のものとして輝かせています。
多くの工程を完璧に行ってようやく、ひとつのGalle tip lampやVaseが誕生します。
ガレ工房について
第一工房期 (1874-1904)
オリジナルと呼ばれることが多いですが、ガレ本人がすべての工程を手掛けた作品は確認できていません。1904年に没するまでのガレ自身の役割は、器形の決定と、絵柄を紙の上にデッサンすることでした。彼は、総合プロデューサーとして工房を牽引し、いわばブランドビジネスの先駆者といえます。
第二工房期 (1904-1914)
ガレの死後、友人ヴィクトール・プルーヴェのマネジメントにより作品が制作されました。ヴィクトール・プルーヴェは以前からガレのために下絵を描く仕事をしていたので、ガレの作風を比較的よく継承しているのが特徴といえます。また山水風景文様などを新たに導入して、明るい印象の作品を世に送り出しました。
第三工房期 (1918-1931)
ガレの娘婿のペルトリーゼのマネジメントによって、ガレ工房ではアールヌーヴォー様式の作品が作られていました。しかし時代は、アールヌーヴォーの流行が終わり、アールデコへと推移し、1931年工房は閉鎖売却されました。有名な「スフレ技法」がこの時期に開発されました。
ルーマニア工房 (1931- )
フランス・ナンシー工房の閉鎖後、ガレの熱烈なコレクターであったルーマニアの王室が、当時責任者だったイタリア人モンテッシーを中心に、熟練のクラフトマン200人余りを自国に招き入れます。「TIPガレ」はガレ工房の作品をもとにルーマニアで制作され、オランダハーグ国際裁判所の公認を得て、伝統技術を現代に継承しております。
メゾン・ド・マルシェ神戸本店にて、開催いたしました現代ガレ・コレクション展は、10/23(日)をもちまして終了いたしました。
ご来場いただいた皆様、誠にありがとうございました。