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木材について 《 家具の知識シリーズ 》
家具に使用される木材についてご紹介いたします。
・マホガニー
・ウォールナット
・オーク
・パイン
・チーク
・メープル
・ブナ
・ポプラ
マホガニー
木材のなかでも高級な木材として知られるマホガニー。
マホガニーは、主に大きく分けて3種類に分類されます。
中南米が原産のセンダン科マホガニー属の3種の木(マホガニー、オオバマホガニー、メキシカンマホガニー)の総称で、中米ホンジュラスの現地語で「黄金色」を意味します。
現代では高級家具や、彫刻の材料として主に使用され、軽くて加工しやすいにも関わらず丈夫な材質のため、古くから調度品などに使われる木材として使われてきました。
乾燥による狂いはほとんどなく、耐久性があり、腐りにくく、木肌が滑らかで、摩耗に対する耐久性もあり、塗装を施さなくても木材の表面に赤、橙系の美しい色調があり、木の繊維自体にも光沢があります。
「リボン杢」と呼ばれる縦縞の木目が特徴的な木材で、年月を経ると更に高級感のある美しい仕上がりを見せます。
世界3大銘木として人気が高いマホガニーですが、現在はワシントン条約により伐採や取引に制限があるため貴重な木材となっています。
ウォールナット
多くの家具に用いられるウォールナットは、クルミ科の落葉広葉樹です。
家具の材料としてよく使われる「クルミ」とは別物で「ブラックウォールナット」あるいは「アメリカンブラックウォールナット」と呼ばれる種類の総称で、主な産地はアメリカ、南米です。
今は北米産のものが主流になります。
イギリスでは、15~16世紀から多く使われており、深みのある濃い褐色と美しい木目が特徴的で、重厚感や高級感を感じさます。
ウォールナットの家具には昔から寄木細工や象嵌細工を施すものが多く、堅くて重く、加工したときに狂いが少ないというのが特徴です。
また長年使用しても反ってくることも、伸び縮みすることがほとんどありません。
優れた耐衝撃性・加工性からも、高級家具やアンティーク家具に使用されることが多くマホガニー、チークとともに世界3大銘木に数えられています。
オーク
コブ科コナラ属の落葉広葉樹で、北海道やロシアをはじめとする寒冷地、またはアメリカやカナダなどの北米に分布しています。
丈夫で硬く、時間が経っても反りづらいという特徴があるオークは、古くから酒造用の樽や家具などに使用されており、アンティーク家具などにもオーク材が用いられています。
ヨーロッパでは15世紀末〜16世紀半ばのチューダー様式から家具に使用され、ジャコビアン様式でもよく使用されていました。
ライトブラウンの色味なので、どんなお部屋にもマッチしやすいのが特徴です。
オーク材には一般的に「ナラ」「レッドオーク」「ホワイトオーク」の3種類があり、なかでも北海道産ミズナラは、世界最高峰のオーク材とも呼ばれます。
重量がある材質ですが、高い耐久性と耐水性があり、防虫効果もあります。
硬い素材ですが、加工が施しやすく、はっきりとした美しい木目が特徴で「ナラ」「レッドオーク」「ホワイトオーク」で異なる木目になり、同じオーク材でもさまざまな木目が楽しめます。
ただ乾燥には弱いため、エアコンの風が直接当たるような場所に置く場合は気をつけなければいけません。
パイン
パイン材とは日本でもおなじみの松(マツ)を加工した木材です。
木目に節が現れるパインは世界中で愛用されている木材で、主に北米産のマツをパイン材と呼び、50種類以上あるマツの中でも「イエローパイン」「ホワイトパイン」「ポンデロッサパイン」「欧州アカマツ」などが家具用材として知られています。
木材自体が油分を多く含んでいるため、経年変化で艶や深みが生まれます。
温かみのある風合いと特有の香りで人気がある材質で、ナチュラルカントリーや、北欧系インテリアによく使われています。
また、比較的リーズナブルで、その加工のしやすさから近年はDIYにも用いられます
加工しやすい反面、柔らかく衝撃には弱いため、大切に扱わないと傷がついてしまいます。
チーク
南アジアを中心に分布するクマツヅラ科の広葉樹が原料の木材で、今から2000年以上前から使われており、 歴史の古い木材でマホガニーやウォールナットとならび、世界3大銘木の一つです。
耐水性・耐湿性があり、耐久性も高い丈夫な木材で、反りや割れが少ないため、古くから高級木材として高級家具などに使われてきました。
塩水にも強いため、豪華客船の甲板や内装材に使われており、クイーンエリザベス2世号にも採用されています。
筋が入った独特の木目が特徴で、もともと油分を含んでいるので美しい光沢があります
温度や湿度の変化に強く腐食耐性もあり、経年でツヤのある黄褐色になっていく変化を楽しめるのもチークの一つの魅力です。
メープル
メープル材は、カエデ材を英語にしたもので、主に、米国やカナダの北米地域が産地です。
高級家具や床材 、楽器材などによく使用されており、木質が重くて強固な「 ハードメイプル 材」と4/1程柔らかい「ソフトメイプル 材」が主流です。
特に人気なのが、杢目の中に鳥眼模様がついた「バーズアイメイプル」で、高価で加工が難しい木材といわれています。
耐久性が高く丈夫で、硬い材質のため衝撃や摩擦にも強く、傷がつきづらい材質です
硬いので加工はしづらいですが、ダイニングテーブルなど大型の家具に好んで使われます。
清潔感のあるやや白みがかったライトブラウンが特徴で、触り心地はツルツルとしており、独特のツヤを持っています。
メープル材の場合は飴色に変化していくので、段々と色に深みが出ていきます。
日本でも多くの大型家具に使われています。
ブナ
ブナ科ブナ属 落葉広葉樹で日本ではブナの名で呼ばれ、北海道南部から本州、四国、九州等の山の奥地に多く生育し、流通量が極めて少ないため、現在はヨーロッパからの輸入材である、同属のビーチを広く使用しています。
曲げやすい材質にも関わらず、硬くて丈夫な木材で接着性は比較的良く、衝撃にも強いです。
反面、変色、腐食もあり、乾燥をきちんと行わないと、曲がり、よじれなど狂いを生じます。
しかし、現代では人工乾燥、防腐処理などの技術進歩により加工需要が増えており、様々な分野で多く使用されています。
主にチェストやテレビボード等の脚物家具や、木製玩具、楽器の鍵盤などにも使用され、無味無臭の材のため、食品容器にも適しています。
ライトピンクのような明るい色が特徴で、近年人気の北欧風インテリアの材質として重宝されています。
ポプラ
ポプラというと、ダ・ヴィンチの描いた「モナリザ」が直接書かれた木材であるセイヨウハコヤナギ(西洋箱柳)を思い浮かべますが、
木材の世界ではポプラというと、モクレン科・ユリノキ属イエローポプラ(アメリカンホワイトウッド)を指すのが一般的です。
日本の木で言うと「ホオノキ」と同じ科になります。
「イタリアポプラ」「ユーラメリカポプラ」などと呼ばれるものもあります。
軽くて、清潔感のある白、さわやかな印象の木材で、用途としてはマッチの軸木や、ギターやウクレレなどの楽器、彫刻などに使用されています。
柔らかく綿密な肌目に人工乾燥・天然乾燥を問わず簡単に乾燥させられ、狂い生じにくく損傷が出にくいのも特徴です。
釘を打っても割れにくく、加工しやすさに加えて、塗装しやすいことから、DIY用の木材としても人気です。
ただし耐水性や防虫性は高くないため、屋外で使用するには不向きです。
生活する上で、長く時間をともにする家具。
素材を知って、より近くに感じていただけましたでしょうか。
ぜひ、店頭でもご覧くださいませ。皆さまのご来店をお待ちしております。