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MINTON
[MINTON (ミントン)について]
1793年、創立者のトーマスは陶磁器の転写に
使う銅板を彫る職人でした。ミントンは
初めから芸術性を求め、装飾性に富んだ作品に
取り組んできました。2代目の
ハーバード・ミントンの時代には優秀な人材を
確保し気品ある大理石のような美しさを持つ
「パリアン陶器」や、金を腐食させて紋様を
つくる「アシッド・ゴールド」技法などを発明し
大いに発展させました。3代目を受け継いだ
甥のコリンも、新しい装飾技法を生み出し続け、
ついにはヴィクトリア女王から
「世界で最も美しいボーン・チャイナ」との
賞賛を得るに至りました。
1856年から王室御用達となりました。戦後に
なるとミントンは、金彩を施したシリーズから
一変し、1948年、デザイナーのジョン・ワズワースが
ハドンホール城の壁に掛けられていたタペストリーの
モチーフをデザインした「ハドンホール」を
発表し、ミントンの永遠の定番品として、
その名を世界に知らしめることとなりました。
また、「ハドンホール」と同時期にデザイン
されつつも、採用とならなかった
「ハドンホールブルー」が1993年に発表され、
以後「ハドンホール」と並ぶベストセラーとなりました。
2015年、親会社ロイヤルドルトンが買収され
WWRDグループホールディングスの一員となり、
ミントンブランドは廃止されました。
ボーンチャイナと呼ばれる乳白色のなめらかな
焼き物は、18世紀ごろにロンドンで発明されました。
その当時のイギリスではシナ磁器で多用された
白色粘土が入手困難であり、代用品として
牛の骨灰を陶土に混ぜて製作したため、
ボーンの名を冠します。かつては他の骨よりも
リン酸カルシウムを多く含む牛の骨灰のみが
添加されていましたが、近年では骨灰を使わずに
直接骨リンを用いる方法もあります。また、
ボーンチャイナは特殊な釉薬を使用するため、
2次焼成を低温で行います。そのため、高温下に
おいて褪色する顔料を使用することができ、
当時主流であった白磁器よりもより多くの
色彩を演出することが可能でした。このため、
手間をかけて作られたボーンチャイナには
美しい絵や微細な模様が刷り込まれていることが多いのです。
ミントンは、19世紀の英国で最も影響力のある陶磁器メーカーの一つで、
ヴィクトリア時代の美的感覚を代表する存在とされています。
ヴィクトリアン様式についてはこちら ⇒《 ~英国の黄金時代を彩るヴィクトリア女王様式~ 家具デザインの歴史 》
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