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家具の表面塗装について 《 家具の知識シリーズ 》
メゾン・ド・マルシェで扱うクラシック家具の表面塗装を紹介いたします。
・ウレタン塗装
・UV塗装
・ラッカー塗装
・オイル塗装
・シェラック塗装
塗装をせずに木地の状態のままだと、水分が染みこむので汚れの原因になったり、キズが付いてしまったり、日光に当たる事で日焼けして変色してしまいます。
それらを防いだり、保護するために塗装をおこないます。
また、塗装をするとツヤが出て木目を美しく際立たせてくれるので、木を保護して家具として使いやすくするためにも塗装が必要です。
ウレタン塗装
モダン家具を中心に一番多く使用されているのがウレタン塗装です。
正式名称は「ポリウレタン樹脂塗装」と呼ばれ、プラスチック樹脂系のウレタン樹脂で、家具の表面をコーティングする方法です。
現在販売されている家具の5~6割はウレタン塗装だと言われています。
使用用途は幅広く、ダイニングテーブルの天板やコタツの天板、和室のテーブル、家具以外にフローリング材などにも使われています。
ウレタン塗装は塗膜が分厚く硬いので、プリント合板で作られた家具に強度を持たせるために使われることが多いです。
〚 メリット 〛
ウレタン塗装を施すことで、分厚く硬い塗膜をはり、木の呼吸をとめてしまうことで、反りや乾燥を防ぎます。
さらに、分厚い塗膜に守られるので水に強く、キズや汚れが付きにくいので取り扱いがラクになります。
主にプリント合板などの家具は、強度を持たせるためにウレタン塗装が多く使われています。
〚デメリット〛
キズは付きにくいですが、逆に出来てしまったキズは光の反射でとても目立ち、修理が難しく、塗装を剥がすことはとても困難で再塗装も難しいことです。
また、手触り感と見た目が人工的で木の質感がないことも挙げられます。
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UV塗装
日焼け止めでなじみのあるUVとは、ウルトラヴァイオレットの略です。
UV塗装の正式名称は「紫外線硬化塗料」といい、「紫外線塗装」とも言われています。
ジェルネイルと同じ方法で、紫外線を照射することで瞬間的に塗膜が硬化する樹脂塗料で塗装を行います。
ウレタン塗装と同じように厚く硬い塗膜により木の呼吸をとめることで、反りや乾燥を防ぎます。
紫外線を当てるので、無垢材で造られている家具でUV塗装のものはありません。
〚メリット〛
ウレタン樹脂よりも塗膜が硬く傷が付きにくいです。さらに硬度が高くて熱にも強いので耐久性もあり、鏡のような透明感ある仕上がりになります。
〚デメリット〛
硬い物や強い衝撃に弱く 表面のかけや、キズが付いた場合の修理はほぼ不可能。
本物の木で作られた無垢材には使うことが出来ないので、自然でナチュラルな雰囲気を出すことができないことです。
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ラッカー塗装
古くから家具にも利用されてきた塗装方法で、アンティーク風の家具に使用されることが多いです。
ラッカースプレーと同じ塗装方法で、樹脂などを揮発性の高い溶媒(アルコールやシンナー)に溶かした塗料を使った塗装で、
ウレタン塗装のように化学反応を起こすのではなく、吹き付けて木の表面に薄い膜を作る塗装方法です
ラッカー塗装は塗膜が薄いため、塗り重ねる必要があります。
これにより手間ヒマがかかりますが、木の肌触りが残ったまま、ツヤ感も抑えめで素材の雰囲気を残しながら仕上げることができるので高級感もでます。
〚メリット〛
自然に近い柔らかい仕上がりで天然木やアンティーク風の家具の塗装には最適。キズなどが付いてしまった場合は、アルコールで塗装を簡単に剥離して補修することが出来る。
〚デメリット〛
ウレタン塗装よりも塗膜が薄くなるので耐水性、耐熱性は低く、ウレタンやオイル塗装に比べると揮発性が高く、市販されているアルコール消毒を使うと、塗装が溶けてしまうため使えない。
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オイル塗装
植物性のオイル(油)を、木の表面及び無垢材の繊維に染み込ませる塗装方法です。
表面に膜を張っていないので、木の本来の風合いをそのまま生かした塗装で別名オイルフィニッシュ仕上げとも言います。
植物油を使っているので体にも優しいです。しかし木の呼吸を止めないので、ウレタン塗装と真逆で割れたり反ったりする可能性があります。
キズや汚れが付きやすいですが、オイルを塗り足すことでメンテナンスが容易にできます。
〚メリット〛
天然木ならではの、自然のままの質感を味わうことができ、また、長く使用するとコーティングでは表現できない木本来の色艶が現れます。
補修も容易でアンティークの風合いを長く楽しむことができます。
基本的には有害性のない天然植物油由来の塗料を使用していますのでアレルギーやシックハウスの対策の為にも安全な塗装です。
〚デメリット〛
オイル塗装は塗膜がないので、キズや汚れが付きやすい、乾燥割れや湿気による膨張がおこる可能性がある。
水拭きを繰り返すとオイル成分が抜けてくるため、定期的にオイルを塗りこむ必要があります。
シェラック塗装
シェラック塗装は、人体に無害で、光沢、耐摩耗性、密着性、耐久性に優れた天然素材を使用した塗装方法です。
歴史は大変長く、紀元前2千年頃に、インドやインドネシアや中国で、シェラックを含有する色素が染料に使用された形跡があるそうです。
シェラックとは、古来からインドなどの南アジアやタイなど亜熱帯地方に広く生息する「ラックカイガラ虫」が樹液を吸って体外に分泌した樹脂状の物質です。
ウレタンなどの合成樹脂系と異なり、虫の分泌液からなる天然の樹脂です。
古くより楽器(ギターやヴァイオリンなど)の塗装に使用や、洋家具の塗装、レコードの材料としても使用されてきました。
合成樹脂の登場で需要は減り続けていますが、最近では染料としての用途だけでなく、化粧品や、錠剤や食品などのコーティング材などに用いられています。
〚メリット〛
耐摩耗性に優れている。無味無臭で環境にも人体にもやさしい。天然素材である。光沢に優れている。
密着性、耐久性に富んでいる。黄色く変色しない。耐油性がある。
〚デメリット〛
水分に弱い(シェラックの種類と溶媒の種類による)
アルコール系溶剤に溶ける
熱に容易に溶解する(一度熱硬化したあとは、熱や溶剤にも侵されなくなります)
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