チェスターフィールドの名前は、“英国紳士のシンボル”と呼ばれ、ダンディズムの象徴にもなっている、
イギリスの第6代目フィリップ・チェスターフィールド伯爵(Philip Chesterfield)に由来します。
自分の息子にあてて人生全般の心得を切々と説き送った「父から息子への手紙 わが息子よ、君はどう生きるか」は世界的名著です。
正確な由来については、伯爵がこのソファを “愛用していたため” 、”考案したため” などさまざまな説がありますが、
イギリス伝統のスタイルであるチェスターフィールドソファは、世界中で長い間愛されています。
使い込むことで、ソファの革はやわらかく育ちますので、何ともいえない色つやの、味わい深いソファになっていきます。
皮がなめし工場に運ばれ、最初に行われる動物の皮の加工は、毛と肉を落とすことです。
伝統的な方法として、オークなどの木材の上に皮をひろげ、
ナイフなどで削り取る方法「ビームハウス工程」がありますが、
現在では、安定性とスピードのために機械による加工が施されます。
次の工程は「石灰漬け」です。
皮が腐らないようにしたり、毛やたんぱく質、不純物などを溶かし、
洗い流すために、大きなドラムに皮と石灰を入れて回します。
さらにこの石灰を洗い流すことで、酵素などにより細かいたんぱく質を取り除かれます。
次にクロムの液体に漬け、皮の中まで浸透させます。
クロムの液体に漬けることで「ウェットブルー」と呼ばれる色が薄い青の状態になります。
ウェットブルーになることで、ある程度の長い保存が可能となり、
この段階でプロの目によって品質の査定が行われ、査定をパスした革は薄くスライスされます。
薄くスライスされた1層目の革を「トップレザー」といいます。
高級な革であり、アニリン仕上げの最高級革で、または「フルグレイン」とも呼ばれます。
2層目が一般的に家具用として使用される「corrected grain(表面を修正して使用)」
3層目以降は「スプリットレザー」と呼ばれて最も低いグレードの革です。
各種加脂剤や特殊な溶剤をまぜて再度なめしや染めをおこないます。
そして色が決まり、風合いのあるなめらかな革が出来上がります。
革の表面などを仕上げる最後の段階。
革の中まで色素が染みているので、その表面を加工していきます。
その革にあった特殊な表面仕上げ加工をし、再度乾燥させて革を仕上げます。
革をドラムで回す、叩くなどの加工をして、革をより柔らかいものにする場合もあります。
その後アイロンかけの工程を経て、出荷されます。
高品質の無垢のブナ材を使い、湾曲のないまっすぐなものだけが使われる特徴的なフレーム。
すべてのパーツは一つ一つ職人が手作りで仕上げます。
さらに耐久性を上げるために、職人が、ダボ、ビス、角あてなどを使用して組み立てていきます。
その後、ゆがみや曲がりなどないか綿密な検査をし、パスしたものだけが次の磨き職人に手渡されます。
最初の仕上げである木部の塗装。
ソファが出来上がった際、むき出しになる木部(脚など)がある場合、その部分の塗装が行われます。
何層かの塗膜を手作業で行い、乾燥させます。
48時間程かけて完全に塗装が固めます。
モデルにもよりますが、革の張り込みには通常3日を費やします。
最初に、レザーの在庫からこのモデルや使う場所にあった革を選び、
型紙をあて、各パーツになるよう革をカット。
そして、それらを張り込みの職人に渡し、ひとつひとつのパーツをボディに取り付けていきます。
ボタンの取り付け、鋲打ちなどで仕上げていきます。
鋲はすべて単独の鋲で連結鋲は使わず、
300から多いものでは1200個もの鋲を一つ一つを、手で打ち込みます。
《日常のお手入れ》
・ やわらかい布でホコリを取り除いてください。
《毎週1度のお手入れ》
・暖かい水をやわらかい布につけよく絞り、軽く表面を拭き(アニリンレザーは除く)
毛先の柔らかいブラシでブラッシングをしてください。
《毎月1度のお手入れ》
・ レザー表面の乾燥やひび割れを防ぐため、そのレザーの種類にあった専用のクリーナーとプロテクト剤(クリーム)をレザーに施してください。
イギリス製チェスターフィールドは神戸本店、名古屋店、那須高原店にて展示販売中です。