こんにちは。那須高原店の増田です。９月に入り那須もとんぼが沢山とぶ季節となりました。先日出勤時、お店の入り口にオニヤンマがホバリングしていてじっくりご対面。その大きさとカラーリング、優雅な姿に今日はいいことがあるかな。と朝から幸せな気持ちになりました。

今日のブログは顧客様であるＮ様から素敵なご相談ごとをいただいたお話です。50年程前にご両親がお求めになったイタリア製のランプを再生できないか。というご相談でお品を拝見させていただくと、直径50㎝、高さ18０㎝弱。シェードはファブリック・ベースは木製で一部に金属が使われている大きなフロアランプ。ランプベースの金属は錆がまわって傷んでおり、木製部分は塗装がはがれ、シェードにいたっては、裏地はバリバリと割れ、ベルベットは触るとくずれおちるような状態でした。

ご両親が長年大切にされていた物を引き継ぎがれたいというお心。またいつもご両親を敬われているN様ご夫妻のお姿。仲の良いN様ご一族様を常々羨望の眼差しで拝見しておりましたので、迷わずやってみますとお答えいたしました。
しかしいつもお願いしている数人の職人さんにお聞きしましたが一様にこれはどうやって張ったか見当もつかない。ウチでは無理だな。と即座にお断りされてしまったり、ベースの塗装・補修も形が複雑でうまく塗装できないかも取り合っていただけませんでした。しかしその後もあきらめずに、いろいろな伝手をつかって、ようやくシェード・ベースそれぞれ請け負ってくれる職人さんを見つけることができました。そして完成したのがこちらです。

早速お持すると、ご両親とN様が待っていてくださいました。2階の主寝室のベッドサイドにランプを設置させていただくと皆様から歓声が上がりました。ご両親も「○○さんが捨てないでもらってくれたから、こんなに素晴らしいものによみがえった。」「これは見事だ。生地もぴったり。ベースも新品みたいだ。」とおよそ30分に渡り、電気を消したりつけたり、お写真を撮ったりと賑やかにご覧くださいました。

物が豊富な今の時代、いらなくなったものは簡単に廃棄してしまいがちですが、手間暇を惜しまず手をかけてあげるとまた新たな魅力をもって蘇ります。大切に引き継いでもらえたら、差し上げた方も嬉しい気持ちになります。

今回は、N様ご家族から私もうれしい気持ちをご一緒に体験させていただきました。ありがとうございました。