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クラシック家具に施された文様とその意味 Part2
今回は”クラシック家具に施された文様とその意味”
についてお伝えします。
実はクラシック家具の装飾や文様にも、西洋美術史や
音楽史のように歴史があります。前回は、
生命の木、アカンサス、ぶどう、いちごの4つの
模様について紹介いたしました。今回は他の文様と
それらが施されている家具や雑貨をご紹介します。
1ゆり
(デザインが発生した経緯とこれまでの生い立ち)
ゆりは、白さ、純潔を表し、聖母マリアの花と
言われています。また、両性的な意味を持っています。
一方でとても種類が多い花の為、1つの意味に限定
しづらい花でもあります。花形としては、
まだ開いていない花、長い筒状と大きく開花した花が
あり、上から覗いたものや、真横から見た形もあります。
主に模様が使われたのは、ゴシック以降の様式や、
アール・ヌーヴォーにおいてですが、古代オリエントや
クレタ等に始まっていたことから、古い歴史を持っています。
(本店で扱っている家具・雑貨)
アルフォンス・ミュシャによる、「花4部作」より<ゆり>の
作品がモチーフになった家具を紹介致します。
メゾンドマルシェ神戸本店 3階にて展示
2 バラ
(デザインが発生した経緯とこれまでの生い立ち)
文様としてのバラは、花そのものと、とげのあるつる草の
2つによって描かれ、バラの2面性を表しています。
ゴシック以降の様式で用いられ、ゆりと同じく、
聖書の聖母マリアの花でもあり、ギリシャの
女神アプロディデー(ヴィーナス)の花でもあります。
美しい花はいばらによって守られています。
バラの花単体においては、はじめシンプルな
円形でしたが、しだいに花弁が複雑に重なり
巻いていくような、現代でもよく見られる花形に
発展していきました。キリスト教において、バラと
十字がよく組み合わされるのは、バラ十字が
永遠の世界を意味する為です。
(神戸本店で扱っている家具・雑貨)
メゾンドマルシェ神戸本店 3~5階にて展示
3 馬
(デザインが発生した経緯とこれまでの生い立ち)
馬は日本人にとっても馴染みがある動物では
ないでしょうか。馬のイメージそのものだけ
ではなく、馬の装飾としての馬具(くつわ、鞍、あぶみ等)
も独自に発展してきました。走る姿も美しく、
馬車を引くことや、人を乗せる2つの仕事をする為、
馬車と乗馬という2つのシーンで描かれることもあります。
ギリシャやケルト以降の様式で主に使われ、
現代においても、動物の中で最も馴染み深い模様、
モチーフの一つになっています。
(神戸本店で扱っている家具・雑貨)
メゾンドマルシェ神戸本店 3階にて展示
4 ステンドグラス
(デザインが発生した経緯とこれまでの生い立ち)
ステンドグラスは12世紀から15世紀の
ゴシック様式の時代に華やかに展開していきました。
ステンドグラスは、いわばゴシック芸術の中心
とも言えました。形態的な魅力や、物語絵としての
絵画製において魅力があり、今でも人々を
魅了しています。光とガラスによって、更に
美しく輝きます。代表的な建築物では、フランスの
ノートルダム大聖堂や、ストラスブール大聖堂の
バラ窓において、ステンドグラスも使われております。
光を灯し、癒やしを与えるステンドグラスを
日常に取りれてみてはいかがでしょうか。
(神戸本店で扱っている家具・雑貨)
メゾンドマルシェ神戸本店 3階階段にて展示
いかがでしたか。家具を見る新しい視点を
皆さまに分かって頂ければ幸いです。
是非、暮らしの中にヨーロッパの歴史が
詰まった家具を取り入れてみてはいかがでしょうか。
上記以外にも、メゾンドマルシェでは、
豊富なクラシック家具・雑貨を取り扱っております。
私達が家具選びのお力になれれば幸いです。
LINEやお電話でも接客させて頂いています。
コロナ対策万全で皆様のご来店を心よりお待ちしております。
※ 参考文献『ヨーロッパの装飾と文様』
海野 弘 2013 株式会社 パイ インターナショナル
p.136,138-139,168, 218-219